Aクラスクリアランスを確認しました。

【1984-CA】

識別番号:1984-CA

管理状況: Experiment  → Freeze


備考:1984-CAは、2×2×2メートルの耐火性の真空容器に保管してください。
また、実験時以外は二酸化炭素等の消火剤で周囲を満たしてください。

説明:1984-CAは2051年7月4日にアメリカ合衆国《削除》州で発生した火災事故で発見された、燃え続え、生命活動を行い、無限に再生する焼死体です。
約1000度で燃え続けている為、職員の接触には耐火装備の着用が義務付けられています。
本名は《削除》と記録されており、本人の意識はないため《削除》州の地下実験施設にて保管。意志を持った動きなどは一切見られません。

なお、1984-CAから発生した各パーツは防腐処理を施し、厳重に保管してください。



以下、《削除》博士による実験記録。

アプローチ:ろうそくに火をうつした上で焼死体を真空状態にし、完全消火を試みる。

リザルト:一時的に消火されましたが、真空状態を解除すると再び着火し、完全に消火することは出来ませんでした。ろうそくに延焼させた火を調べましたが、温度以外に特殊な性質は見受けられませんでした。

アプローチ:焼死体に傷を付ける。 リザルト:完全に再生。

アプローチ:焼死体の左足の小指を切断。

リザルト:本体側の左足は完全に再生し、再度延焼。切り離した方の小指は完全に消火し、その部分のみ火傷や切断面が完全に修復されました。

アプローチ:焼死体の右手を切断。

リザルト:本体側の右手は完全に再生し、再度延焼。切り離した方の右手は完全に消火し、その部分のみ火傷や切断面が完全に修復されました。

アプローチ:頭部を切断。

リザルト:本体側の頭部が完全に再生し、再度延焼。切り離した方の頭部は完全に消火し、眼球や脳神経、毛髪を含め完全に再生し、切断面が完全に修復されました。
また、これにより火災事故で死亡した《削除》と顔の情報が一致。以前からこの事故で死亡したと疑いが持たれていた人間であると断定されました。
なお、この頭部は意識を持っていません。 (メモ:意外と綺麗な顔。)

アプローチ:切り離した頭部から毛髪を採取。 リザルト:両方、特に変化なし。

アプローチ:切り離した頭部の毛髪を全て採取。

リザルト:両方、特に変化なし。 アプローチ:切り離した右手に傷口を付ける。

リザルト:完全に再生。 アプローチ:切り離した右手の小指を切断。

リザルト:右手、完全に再生。小指側は小指のみ再生。

アプローチ:切り離した頭部の眼球を抜き取る。

リザルト:頭部、完全に再生。眼球は眼球のみ再生。

アプローチ:抜き取り、再生した眼球を失明した患者に移植。

リザルト:患者の視力が回復。予後、異常なし。
(メモ:大発見だ!条件次第で新たな医療技術になるかもしれない!!)

アプローチ:内臓をそれぞれ摘出。

リザルト:それぞれの内臓が完全な状態で再生。本体側も全て修復されました。

アプローチ:それぞれ適合者にドナーとして提供。

リザルト:移植は成功。予後、異常なし。

アプローチ:再生した頭部から脳髄を摘出。

リザルト:頭部、完全に再生。脳髄は脳髄のみ再生。

アプローチ:脳髄の電気信号を分析。再現回路に接続を行い、1984-CA(再生体)とのコミュニケーションを試みる。

リザルト:対話に成功。以下、記録。

==要Aクラスクリアランス==

《削除》博士:やあ、こんにちは。

1984-CA(再生体):こんにちは。ここはどこ?

《削除》博士:病院だよ。今は君のカウンセリングをしているんだ。

1984-CA(再生体):そうなんだ。ごめんなさい。何も思い出せない。何があったの?

《削除》博士:ごめんね、それはまだ言えないんだ。でも、いつか言えるはず。その時は、君も救えるはずだ。

1984-CA(再生体):よくわからない。でも、ありがとう。

《削除》博士:今日のカウンセリングはここまでだ。また会おう。

以降、毎日数分だけの対話を1984-CA(再生体)と《削除》博士の間で実施していましたが、現在はシークレット扱いとなっています。

アプローチ:焼死体の右脚を切断後、切断した右脚から採取した細胞を更に培養。

リザルト:培養成功。
(メモ:コストが高すぎ。食糧不足の解消は見込めない。)

アプローチ:右脚の培養肉を調理し、《削除》博士自ら摂取。

リザルト:「普通」との事。

アプローチ:右脚の培養肉を調理し、職員たちで接種。

リザルト:嘔吐する職員が続出。一方で、普通に食べ進めるもの、「おかわり」を要求するものも現れた。深刻な健康的被害は無し。

この研究後、《削除》博士は精神を病むようになり、1984-CAに関する研究プロジェクトを完全凍結。組織を脱退。
2052年7月15日に1984-CAが生命活動を停止。同時に全ての炎が鎮火。
再生能力も失われ、1984-CAの持つ異能性は完全に失われました。


【Type_Naturalにおけるオカルト能力発現と、それに伴うケース飽和発生の報告書】