結論から申し上げますと、我々は失敗しました。
以下、経緯と対処法を記載します。
当時、1984-CAの能力は「無限の再生能力」と考えられていました。
その後は《削除》州の地下研究施設にて管理され、様々な実験が行われていました。
しかし1984-CAの能力は無限の再生能力だけではなく、「1984-CAをその身の一部とした人間の主導権を恒久的に奪う(いわゆる「乗っ取り」)」というものが含まれており、それは複製された身体を摂取した場合であっても有効です。
1984-CAをドナーとして臓器提供などした患者は勿論、培養肉を摂取した職員合計56名の何名かは実際に「乗っ取り」が発生したと思われ、全て死亡しております。
2052年8月現在、「未来合成肉」と称されたヒト培養肉が全世界に蔓延しております。
しかしながら、1984-CAの能力が前述のとおりであるのならば、この世界の殆どの人間は1984-CAによって生殺与奪の権利を握られていることになります。
これにより、ケース飽和が発生。状況をSaturationに変更する事を要請します。
この状況を解決するためには、我々は「これから生まれてくる子供たち」に希望を託す他ありません。
ヒト培養肉の一切を禁止し、「一度も1984-CAを摂取していない人間」に世代交代をする必要があります。この先、何十年もかけて徹底し遂行しなければなりません。
旧き人類は、失敗しました。